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2008 年度 実績報告書

放射光硬X線による結晶化困難蛋白の新しい構造決定法

研究課題

研究課題/領域番号 20612022
研究機関(財)高輝度光科学研究センター

研究代表者

岩本 裕之  (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・バイオ実験支援チーム, 主幹研究員 (60176568)

キーワード量子ビーム / 放射光硬X線 / 結晶化困難タンパク質 / 流動配向法 / X線ホログラフィー
研究概要

本研究は、硬X線領域の放射光を用い、結晶化困難な蛋白分子またはその複合体の3次元構造を高分解能で決定するための新しい方法論を確立することを目的とする。このため結晶化しない(単分子または溶液状態にある)蛋白試料にX線回折・散乱法を適用する際の問題は位相問題、つまり回折像から構造復元をするのに必要な位相情報が測定時に失われる問題である。この位相問題を解決するのに、主に軟X線領域で試みられているX線ホログラフィー法を適用するのが本研究の趣旨である。ホログラフィー法を適用するには、試料分子から一定の距離に試料分子よりも小さな参照物体を配置する必要がある。20年度は、まず電子密度の高い試料を用いて硬X線領域でホログラムを記録することを目標とし、試料として鉄含有蛋白であるフェリチンに参照物体として量子ドットをリンカーを介して結合させたものを用い、これをリン酸緩衝液に溶解したものに硬X線(波長0.09nm)を照射して散乱を記録することを試みた。リンカーとしてポリエチレングリコール(PEG)を用い、結合には水溶性カルボジイミドを用いた。これをゲル濾過カラムにかけ、結合の起こった分画を単離した。原子間力顕微鏡観察により2種の径の異なる粒子が近傍にある像が観察されているが、粒子の間隔は必ずしも一定ではない。これはPEGのリンカーが柔らかく、直線上にならないことが原因として考えられた。そこでPEGより剛性の高いリンカーとして残基数一定のポリグルタミン酸を合成した。21年度はこれの両端に試料分子および参照物体を結合させ、X線散乱実験を行うことを計画している。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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