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2010 年度 実績報告書

放射光硬X線による結晶化困難蛋白の新しい構造決定法

研究課題

研究課題/領域番号 20612022
研究機関(財)高輝度光科学研究センター

研究代表者

岩本 裕之  (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (60176568)

キーワード量子ビーム / 放射光硬X線 / 結晶化困難タンパク質 / 流動配向法 / X線ホログラフィー
研究概要

本研究は、硬X線領域の放射光を用い、結晶化困難な蛋白分子またはその複合体の3次元構造を高分解能で決定するための新しい方法論を確立することを目的とする。このため結晶化しない(単分子または溶液状態にある)蛋白試料にX線回折・散乱法を適用する際の問題は位相問題、つまり回折像から構造復元をするのに必要な位相情報が測定時に失われる問題である。この位相問題を解決するのに、主に軟X線領域で試みられているX線ホログラフィー法を適用するのが本研究の趣旨である。ホログラフィー法を適用するには、試料分子から一定の距離に試料分子よりも小さな参照物体を配置する必要がある。22年度は、試料の近傍に参照物体を配置したものが多数存在しているときでも通常のホログラフィー法(試料は1個で、参照物体は1個または数個)と同様に構造復元可能なホログラムが得られるかどうかを検証するため、同一パターンを同一の向きで多数(25個)配置したものを金箔基板上に集束イオンビーム法(FIB)により作成し、全てのパターンを同時に照射できる径のX線ビームで照射し、散乱パターンを記録した。昨年度に比較し、今年度は薄い(0.5μm)金属箔を用いたこと、極小径のビームストップを用いた等の改良が効を奏し、多数の散乱物体を用いてもホログラフィーの原理が働き試料の像を40nmの空間分解能で再生することができた。その他、高速回転セルを改良し、分子量の大きな蛋白(チログロブリン)に1次抗体と金クラスターラベル2次抗体を結合したものをロードして3000xgの遠心力を加え、散乱像を記録したところ散乱像に異方性が認められ、分子が遠心力方向に配向する傾向が認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Hard X-ray Fourier transform holography from an array of oriented, referenced objects2011

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto, H., Yagi, N.
    • 雑誌名

      Journal of Synchrotron Radiation

      巻: 18(In press)

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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