研究課題/領域番号 |
20612024
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研究機関 | (財)高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
冨澤 宏光 (財)高輝度光科学研究センター, (財)高輝度光科学研究センター・加速器部門・高品質ビームチーム, 副主幹研究員 (40344395)
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研究分担者 |
出羽 英紀 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門・高品質ビームチーム, 副主幹研究員 (20360836)
谷内 努 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門・線型加速器チーム, 副主幹研究員 (60360822)
水野 明彦 (財)高輝度光科学研究センター, 加速器部門・高品質ビームチーム, 副主幹研究員 (30360829)
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キーワード | ラジアル・アジマス偏光 / Z偏光・フェムト秒レーザー / ショットキー効果 / フォトカソード / Z偏極電子源 / RF電子銃 / X線自由電子レーザー(XFEL) / 次世代放射光加速器 |
研究概要 |
平成20年度は、カソード面上にZ偏光レーザ電場を実現するラジアル偏光発生光学系を完成させた。Ti:Saレーザの3倍高調波(263nm)のラジアル偏光の基本モードをカソード面上に集光させるための光学トランスポートも整備し、円環ビーム化にも成功した。また、ショットキー効果によるカソードのゲート動作の原理実証を行うために、金カソードと白金カソードを用意し、Z偏光による光電子生成を行う上での基礎物性データ取得のために放射光を用いて、金属の表面不純物をオージェ電子分光で、仕事関数を光電子分光でそれぞれ計測した。ラジアル偏光発生光学系の個々の波長板のフェムト秒紫外パルスでの破壊テストを実施し、一週間程度の連続照射では光電子生成に必要な光強度でも問題ないことを確認した。このラジアル偏光素子(Radial polarizer)で、アキシコンレンズペアで構成するホロービーム入射光学系とともに使用し、ラジアル偏光からアジマス偏光へと自由に切替え可能なことを確認した。Z偏光電子銃による、光電子発生実験を行うカートリッジ型カソード方式RF電子銃装置に、各種金属カソードを組み込んで、ロードロックチャンバーの動作試験を行い、電子銃駆動のRFコンディショニングを実施した。空洞の周波数も冷却水の温度で調整できる程度であること、カソード表面最大電界が130MV/mに達することを確認した。各種金属カソード計11個(銅、金、白金、銀、アルミ)と蛍光面カソード(紫外レーザの集光状況を確認するため)をカートリッジ型RF電子銃に組み込んでの電子銃側の実験準備は完了し、Z偏光による光電子発生実験の予備試験はすべて良好に完了した。銅カソードを一連の光量子発生実験の標準指標として用いる基礎データを現在、取得中である。また、この方法で生成された電子ビームの振舞いを研究する計算コードの拡張を行った。
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