研究概要 |
アパタイト型希土類ケイ酸塩を担体としたPt触媒のC_3H_6を還元剤としたNO選択還元反応に対する触媒活性に対する、担体組成の影響を検討した。化学量論組成のアパタイト型ケイ酸塩La_8M_2Si_6O_<26>(M=Ca,Sr,Ba)は、テトラエトキシシラン、酸化ランタンおよびアルカリ金属炭酸塩を出発原料としたアルコキシド法を用いて合成した。空気中1400℃の焼成により、アパタイト型ケイ酸塩がほぼ単一相として得られたが、A=Caの場合は、La_2O_3、A=Sr,Baの場合はLa_2Si_2O_7が微量存在した。いずれの組成においても、窒素吸着法により測定した比表面積は約1m^2/gであった。得られた酸化物に含浸法によりPtを担持した触媒を調製し、C_3H_6-NO-O_2、C_3H_6-O_2、CO-NO反応に対する触媒活性の評価を行った。化学量論組成のPt/La_8Ba_2Si_6O_<26>触媒のC_3H_6-NO-O_2反応に対する触媒活性は、酸素過剰組成のPt/La_9MSi_6O_<26.5>を用いた場合よりも高くなることがわかった。また、300℃以下の低温域におけるC_3H_6-NO-O_2、C_3H_6-O_2反応に対する触媒活性を比較した結果、Pt/La_9MSi_6O_<26.5>(M=Ca,Sr,Ba)触媒の場合には、Mイオンによる活性の差は小さかったが、Pt/La_8M_2Si_6O_<26>の場合にはM=Ca<Sr<Baの順に高くなることがわかった。一方、CO-NO反応に対する触媒活性は、担体組成によって大きな違いが見られなかった。これらの結果より、Pt/La_8M_2Si6_O<26>触媒においては、C_3H_6を含む反応に対して担体組成が大きく影響することが明らかとなった。このことは、担体がC_3H_6の活性化に寄与していることを示しており、アパタイト型ケイ酸塩担持Pt触媒を用いたNO選択還元反応による排ガス浄化機構を解明するための重要な知見が得られた。
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