本年度は、従来から我々が所有していたFPGAとは異なるハードウェア資源バランスを持つFPGAを搭載したFPGAボード1枚と、そのボードを装着するためのホストコンピュータ1台を購入し、従来から所有していたFPGAボードからなる2ノードと接続し、3ノードからなる小規模なリコンフィギュラブルグリッドコンピューティングシステムを実験室内に構築した。均質でないFPGAからなる分散環境下では、あるFPGAボードのために設計された回路データを、異なるハードウェア資源バランスを持つFPGAボード向けに、変換する必要がある。これを手作業で行っていたのでは、各問題毎に、この作業に膨大な時間が必要となってしまうため、この作業を半自動的に行えるようにすることが重要である。このために、まず、FPGAの持つハードウェア資源を、基本ロジックユニットとメモリの2つに分けて考え、それぞれをパラメータとして回路を記述可能な、メタなハードウェア記述法と、そのコンパイル方式の検討を行う必要がある。本年度は、タンパク質配列のホモロジー検索問題を題材として、異なるハードウェア資源バランスを持つFPGAボード向きの回路データを半自動的に効率的に生成する手法について検討を行った。タンパク質のホモロジー検索問題としては、プロファイルHMMの比較を行うHMMERを題材として選び、その高速計算手法の検討、実装、評価を行った。また、この問題における計算時問と、必要とされるFPGA規模、メモリ量の関係を明らかにした。これらの研究成果に関して、国際学会への投稿を行った。
|