研究概要 |
初めに,WebサービスにおけるユーザレベルQoS,特に主観品質の測定を主とした評価環境を構築した.この評価環境は,被験者が評価を行うための空間(評価用スペース)と,評価実験の監視・制御を行うための空間(監視・制御用スペース)とから構成される.評価用スペースには,被験者が評価を行うための機材と,評価時の評価者の振舞いを観察するための監視用ビデオカメラを設置した.監視・評価用スペースには,評価用スペースからの監視映像を記録するためのPC,通信品質を制御するためのPC,および,評価環境内のトラヒックを解析するためのPCとこれらを接続するためのポートミラーリング及びVLAN機能を有するスイッチングハブを設置した.次に,主観品質を含むユーザ視点のサービス品質評価方法の検討を行った.ここでは,ISO勧告に基づいた評価を検討した.次に、対象となるユーザ視点のQoSを評価するための尺度の検討を行った.特に,本研究ではISO勧告で定義されたユーザビリティに関する尺度により,Webサービスのサービス品質評価を検討した. 検討を行った評価方法および環境において,検討した評価方法に基づき、実際にWebサービスにおけるユーザ視点のサービス品質の評価のための予備環境を構築した.ネットワークの品質制御方法として、ネットワークエミュレータであるdummynetを用い、ユーザビリティ評価用ソフトとして、静岡工業技術センターで開発されたObservant Eyeの利用を試みた。本予備環境を利用し、簡単な評価実験が行えることを確認できた。
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