研究課題
萌芽研究
同期、相互排除、認証、暗号化などの分散システムにおいて必須となる分散アルゴリズムや通信プロトコルについて、事象順序づけや識別子の生成において時刻情報を使っているかを調べた。具体的には既存のアルゴリズムやプロトコルの時刻情報の取得有無や必要精度については、それらの仕様書や論文などを調べるとともに、分散システムの処理の多くはオープンソース化されていることから、そのソースプログラムについて時刻取得システムコールの呼び出し有無などを調べることちにした。この結果、既存の代表的なプロトコルや分散アルゴリズムを、(1)絶対時間の計時を必要とするもの、(2)(相対的な)時間経過の測定を必要とするもの、(3)時間情報を必要としないものに分類し、次に時間情報の桁数や演算の正確により、(a)事実上のコンピュータに内蔵された原子時計による時間情報を正確と扱えるものと(b)それ以外に分類した。(1)は暗号関連及びユニーク識別子の生成以外は少ないが、それらも乱数生成処理を利用しており、絶対時間の計時を必ずしも必要としているわけではないことがわかった。逆に言うと時計の計時誤差を前提にしているといえ、チップスケールの原子時計が普及すると分散アルゴリズムが一変することを意味する。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)
International Journal of Pervasive Computing and Communication (掲載確定) Vol. 4-No. 4(印刷中)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences Vol. E91-A, No. 11
ページ: 3261-3268
Journal of Networks Vol. 3, No. 4
ページ: 10-20