研究概要 |
本研究では,主メモリには到底乗らないような巨大ボリュームデータの描画方の開発を目的とする.本研究の基本的なアイディアは,巨大ボリュームデータをブロックに分割し,拡張DDA法を用いてブロックを整列することで逐次処理を実行する,というものである.しかし,描画に要するブロックデータが多いのであれば,ディスクからのブロック読込みコストが増大してしまう.そこで,ボリュームデータを多重解像度表現するとともに,効率良い枝刈り処理を組み合わせることで,ディスクからのブロック読込みを抑えて高速な描画処理を実現できると考えている. 本研究期間内の課題は,「巨大ボリュームデータの多重解像度表現」,「ブロックデータの整列ならびに枝刈り」,「マルチスレッドを利用して描画」,「データサイズやバッファリングの調整」,「代用データによる描画と先行データ読込み」,「超巨大データのための分散並列処理の検討」である.このうち,本年度は「巨大ボリュームデータの多重解像度表現」,「ブロックデータの整列ならびに枝刈り」,「マルチスレッドを利用した描画」を中心に研究を行った.具体的には,ボリュームデータを多重解像度のブロックデータに分割し,視点との相対位置関係からブロックデータの要不要を判定するとともに,プロセスを描画用とブロックデータ管理用のスレッドに分割することで,ボリュームデータを連続描画することができるようになった.また,ボリューム描画法として,スプラッティング,レイキャスティング,ソリッドテクスチャスライシングなどの手法を比較検討した.
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