本年度(〜平成21年3月31日)の研究実施計画 本研究では、一般画像認識において、学習画像群から対象物体を適切に識別できる特徴量を精密に求める手法について検討する。学習画像群から得た特徴量は、精密に求めた適切なパラメータに基づいて算出されていれば、特徴空間中で対象物体を特徴付ける構造に対応するクラスタを構成すると考えられる。そこで、より識別性能を高めるようなクラスタを形作るように特徴量算出のパラメータを調整することにより、一般画像認識に有効な特徴量を抽出することを考えている。そのため、本研究では、従来比較的独立に研究されてきた、統計解析・データ工学に基づくクラスタ解析と、画像解析との研究領域間の密な結合に基づいて取り組む。 平成20年度は、TRECVIDデータを対象として映像/画像の概念カテゴリへの分類について検討を行った。局所特徴量に基づく方法により、上記の考え方に従い、識別性能を最適化するように局所特徴量のクラスタリングを修正する実験を行った。その結果、分類性能は確かに高くなることが分かったが、過学習に陥りやすいという問題点があることも分かった。一方、別途検討した大局特徴量に基づく概念分類手法では、過学習の問題も少なく、かつ性質の異なるデータで学習しても識別性能が落ちにくい(cross-domain特性がよい)ことも分かった。一方、顔画像の識別問題について上記と同様のアプローチを取り、Webから取得した大量の顔画像に対して、顔類似度の点でより良いクラスタを検出するように顔検出器を学習させることにより、有名人を主たる対象とした特定人物の検出器を自動学習するアルゴリズムを考案した。
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