研究課題
生物が発生期に獲得する等間隔パターンの代表例として、脊椎動物の体節があげられる。体節は種特異的な時間間隔で周期的に分節化されるが、これは体節原基である未分節中胚葉で遺伝子の発現が振動し、その周期性を生物時計として利用し、体節は周期的に形成される。本研究では、この遺伝子発現の振動をモデル系として、遺伝子発現の振動が発生し、安定して持続されるメカニズムを、特に転写後調節に焦点をあてて探ることを目的とした。遺伝子発現の振動は転写因子Hes7のネガティブフィードバックループがチュ心的なメカニズムであることを既に我々は明らかにしている。このモデルにしたがってコンピュータシミュレーションをおこなったが、Hes7の翻訳のタイミングが実験による観測データとコンピュータシミュレーションとで食い違いが生じていることが明らかになった。このことからHes7 mRNAに結合するRNA結合タンパクおよびmiRNAの存在を予測して、これらの探索を行った。miRNAとして候補を絞り、そのノックアウトマウスを作製し、現在解析中である。また、いくつかのRNA結合タンパクを候補として同定し、現在解析中である。
すべて 2009
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)
PLoS ONE 4
ページ: e5603
PLOS GNETICS 5
ページ: e1000662