研究概要 |
ポリフェノールは、癌や神経変性疾患などの多くの疾患の予防的効果があるという実験結果が集積してきた(Shankaer et al.Front Biosci.Review, 2007)。そのメカニズムに関しては、抗酸化作用、シグナル伝達系路に対する作用などが多く報告されているが、われわれの知る限り、ポリフェノールとオートファジーに関する報告はなく、独創的な知見であると考えられる。 i)したがって、神経芽細胞に対するTheaflavinのオートファジー促進作用が他のポリフェノールに認められるか(一般性があるか)、否か(Theaflavin特有の現象か)を検討することは重要である。ii)これまで、細胞内シグナル伝達によるオートファジー制御に関しては、必ずしも十分に理解されているとは言えない。Theaflavinのオートファジー促進作用の系を解析することにより、新たな知見を得られるかもしれない。iii)Theaflavinによるオートファジー促進作用がα-synにより修飾されるならば、神経変性の機序として重要な知見である。 培養細胞における知見をトランスジェニックマウスモデルで確認するのは、非常に重要である。α-synによる神経変性が、Theaflavinの短期的投与と飢餓療法の組み合わせにより、すなわち、オートファジー促進に効果が認められれば、Theaflavinを使った根本的治療戦略が明確になる。
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