テーマ1)厳密制御Tet-Cre発現システムの構簗 すでにジフテリア毒素遺伝子において、2重制御系の有効性を確認している。転写制御のみや分解制御のみでは、dox非添加時においても毒素の発現がもれてしまっているため細胞は死滅するが、2重制御の場合にのみ、dox.非添加時に細胞が生き残り、厳密な発現調節が実現できていた。 そこで本研究ではこれをCreの発現調節に応用し、厳密な制御と高感度な発現誘導を試みた。さらにこれに自己組み替えをも組み込んだ3重綱御系も構築した。3重制御システムとは、上述め2重制御系に加えて、Cre機能を部分阻害するアミノ酸配列をCreタンパク質のC末にloxPに挟んだ状態で、かつloxP部分も正しく翻訳されるように付加する。これによりたとえCre融合タンパク質の発現がモレたとしても、生合成されたタンパク質は充分に機能できずシャットオフされる。ここにdoxが存在すると、大量のCre融合タンパク質が産生されて組み替えが始まり、部分的な機能阻害配列はCre遺伝子上から除かれてしまうため、さらに完全にCreが機能することになり、ごく微量のdoxが短期間存在するだけで高感度にCreが機能する。 これと合わせてモニタリング用ベクターも同時に開発し、同時に細胞に導入する組み合わせ解析法によって構築した発現系を用いて実際に詠魚の厳密さや、薬物濃度に対する定量生などについて詳細に検討した。その結果、当初の目的の通り、厳密かつ高感度に発現調節できるシステムを構築することに成功した。
|