研究課題/領域番号 |
20650064
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
清水 孝一 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30125322)
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研究分担者 |
加藤 祐次 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (50261582)
山下 政司 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40210421)
北間 正崇 北海道工業大学, 工学部, 准教授 (50285516)
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キーワード | 体内通信 / 光通信 / 近赤外光 / 光散乱 / ダイバーシディ / 経皮情報伝送 / 光拡散 / 時間分解解析 |
研究概要 |
従来、カプセル内視鏡など体内機器との通信には、電波による単純な通信方式が用いられてきた。これに対し本研究は、体内を伝搬する散乱光を積極的に用いた光通信を新たに提案し、その実現可能性を実証することを目的とする。 体内深部からの光信号は、生体組織で散乱され広く拡散していく。体表面に装着した複数の光センサでこの信号をとらえ、体内生理情報を復元する。光散乱を積極的に利用し、体表上いくつかの点に光センサを配置することにより、死角のない常に安定した信号伝送が期待できる。 初年度は、この原理を実現するための理論解析{シミュレーションを行い、提案手法の開発および試作システムの基本設計を行つた。具体的内容は次のとおりである。 1. 体内散乱光伝搬の基礎特性解析 : 輸送方程式に拡散近似を適用した散乱理論を用い、上記原理に基づく様式での体内散乱光伝搬を理論的に解析した。 2. 上記解析結果に人体のパラメータを適用し、シミュレーションにより体内各部(脂肪組織、筋肉組織、血液内など)の散乱光伝搬特性(検出光強度、光インパルス応答など)を解析した。 3. ダイバーシティの原理を用いる散乱体内部通信方式を設計し、シミュレーションにより光通信特性(復調後のS/N、位相分散、通信可能帯域など)を解析した。 4. 生体組織の光学特性を模擬するモデルファントム(Intralipid+インク溶液で調整)を用い、上記1-3の結果の妥当性を実験的に調べた。 5. 研究成果の発表 : 国際学術誌(Applied Optics2件、Optics Express1件)および国際会議(invited talk2件を含め4件)において、本研究の成果を報告した。
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