研究課題
萌芽研究
何らかの原因によって末梢神経に欠損が生じたとき、自分の神経を犠牲にすることなく再建する方法として分解性人工神経が開発され、すでに臨床に使われている。しかしながら、現在市販の人工神経はどれも均質で全体が同じ速度で分解するため、40mmを超える長い欠損には使えなかった。神経再生が完成する前に中央部分の管が消えてしまうからである。両端から起こる神経再生を追うように分解してゆく人工神経管が実用化されれば、これまでは治療できなかった長い神経欠損が治療できることになる。そこで分解速度にグラディエントを入れた生体内分解性高分子管が作製可能なことを証明して、科学研究費の交付期間内に10cm欠損を補填再建可能な人工神経管を開発することを目指した。初年度は分解速度にグラディエントを入れる技術を確立し、それを用いた人工神経管を作製した。さらにin vitroの分解実験で分解過程を確認した後、動物実験を開始した。繊維径の異なるポリグリコール酸繊維とポリL乳酸繊維を用いて直径5mmのチューブを作成し、このチューブはbradeの方法を変えるだけでなく、糸の打ち本数を振って、十分な初期力学物性が出せるように設計した。中央部から両端に向かって分解速度に勾配をつける手段としては、チューブをコーティングしているアモルファスコラーゲンの架橋を中央部に多く入れて末端に向かって漸減させる技術を用いた。また中央部に行くほど遮へい効率の高いシールドをかぶせてチューブにγ線照射を行いP-L-LAをあらかじめ傾向をつけて分解させる技術も検討している。現在in vitroで分解挙動の評価を行っており、次年度に動物実験に入る予定である。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (10件) 図書 (2件) 備考 (1件)
整形・災害外科 52
ページ: 118-119
ペインクリニック 29
ページ: 452-458
整形・災害外科 51
ページ: 639-645
脳神経外科ジャーナル 17
ページ: 506-510
Injury, Int. J. Care Injured 39S4
ページ: S29-S39
ペインクリこック 29
ページ: 1171-1178
J Oral Maxillofac Surg 66
ページ: 1481-1484
Tissue Engineering (in press)
http://www.frontier.kyoto-u.ac.jp/ca04/index.html