研究課題/領域番号 |
20650070
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山田 秀徳 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80037613)
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研究分担者 |
二見 淳一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (00420498)
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キーワード | バイオテクノロジー / 生物・生体工学 / 蛋白質 / 細胞内イメージング / 化学修飾 / 細胞・組織 / ケミカルバイオロジー / 巻き戻し |
研究概要 |
本研究は、可逆的変成カチオン化法により水溶性を大幅に向上させた変性タンパク質を材料として、分子細胞生物学的な応用や細胞内イメージング技術として活用することを目的として以下の研究成果を得た。 (1)N末端特異的な蛍光標識による高精細な細胞内イメージング 細胞内イメージングのモデルタンパク質として、βアクチンを材料とした可溶性蛍光標識プローブの調製に取り組んだ。大腸菌の菌体内で不溶性のインクルージョンボディとして発現したβアクチンを材料として、イメージングの際に立体障害が問題とならないように、N末端のαアミノ基に特異的に蛍光標識導入することとした。 種々の条件検討の結果、N末端に特異的に蛍光基が標識されたβアクチンの単離・精製条件の確立と、システイン残基を利用した可逆的変性カチオン化法により高い水溶性を保持した蛍光標識プローブの調製に成功した。 (2)細胞内分泌経路のイメージングに関する技術開発 分泌シグナル付きの前駆体タンパク質を生細胞内に導入することで、翻訳系を伴わないpost-translational経路によるタンパク質の成熟化が可能なことを立証するための各種の検討を行った。分泌シグナル付きの前駆体の酵素タンパク質を大腸菌で大量発現し、可逆的変性カチオン化法で可溶化して細胞内に導入したところ、培養上清に活性構造の成熟型の酵素タンパク質が再分泌されることが確認された。この結果から、可逆的変性力チオン化法を用いたin cell folding法が、前駆体タンパク質の成熟化を伴うような系にも活用できることが証明できた。
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