研究課題
萌芽研究
高齢者における筋力増強運動の効果には個人差がみられる。これは、運動感受性と関係があり、効果的なリハビリテーション治療を行うには、遺伝的な素因であるジェノタイピングを検証し、テーラーメードの運動処方が必要であると考えられる。本研究では、運動感受性が検証されているSNPs (single-nucleotide polymorphisms)と筋力との関連性から、本邦の高齢者におけるテーラーメード運動処方の可能性について検討する。特にIGF-I (insulin-like growth factor I)、CNTF (ciliary neurotrophic factor)の2つの遺伝子多型と筋力、及び筋力増強運動の効果との関連性から、本邦の高齢者において運動感受性に関与する遺伝子か検証した。先ず健常若年者に対して,6週間の筋力増強運動を行った。運動前、運動3週間後、6週間後の身体組成、膝伸筋力、及び超音波による筋組織厚の計測、及びIGF-1受容体、CNTFの遺伝子多型を測定した。筋力増強運動の結果、膝伸筋力は運動後3週間では有意な増加が観察されなかったが、運動開始6週後に8%の有意な増加がみられた。一方、身体組成や周径の変化は観察されなかったが、超音波断層測定による筋組織厚は運動後6週間で、大腿直筋5.6mm、中間広筋4.0mmの有意な増加が観察された。また、内側広筋の筋組織厚は増加傾向にあったが、有意な増加は観察されなかった。遺伝子多型によりグループ分けを行うとIGF-1受容体の多型により、筋力、及び筋厚の増加に有意差が認められた。さらに高齢者に低強度の筋力増強トレーニングを行い、ビタミンD受容体、CNTFの遺伝子多型と日常生活、筋力、筋量との関係を検証した。その結果、日常生活の動作レベルと遺伝子多型との間に関係が認められた。
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