本研究では歩行のトレーニングの度合いやその成果について筋音図を用いて提示する装置を構築することを目的としている。トレーニングの前後での筋音図を測定し、トレーニングの評価や筋の状態について検討を行う。また、筋力計を用いて筋力も併せて測定し筋力の増減とも関連して筋音図との関係を調査する。今年度は、歩行のトレーニング用の下腿の中でも腓腹筋を対象として調査を行った。昨年度までに作製した高分子圧電材料(PVDFフィルム)を用いた筋音センサならびに計測用システムを用い計測を行った。また筋肉の成分についても同時に調査を行い関係について検討を行っている。筋音の計測ではセンサ出力の平均周波数と分散を求める信号処理を行い、個人差、筋肉疲労などの関係をより詳細を調査することが重要であることが分かった。負荷の掛け方や計測の容易さから、対象を腓腹筋とすることとして、さらに検討を進めている。下肢においては負荷となる発揮底屈力を一定荷重にすることが困難であり、モニターによりリアルタイムで発揮底屈力を表示させるシステムを構築し、本人はそれを目視で確認し下腿の力を調整し一定とすることが可能なシステムを準備した。500秒間の最大随意筋力の5%と10%の発揮底屈力を負荷とした場合の平均周波数と分散について調査をした。5%負荷時には平均周波数は増加し減少すること、10%負荷時では減少のみであることを確認した。また分散では両条件でも増加することが確認された。そこで5%負荷時の計測についてエアロバイクを用いた運動負荷前後での計測を行い比較した。この結果について平均周波数、分散ともに運動負荷前後では全く異なることが得られた。
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