研究課題/領域番号 |
20650093
|
研究機関 | 独立行政法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
伊藤 安海 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 室長 (40356184)
|
研究分担者 |
根本 哲也 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 長寿医療工学研究部, 室長 (90342477)
巨 東英 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (10255143)
|
キーワード | 生活支援技術 / 高齢・認知症ドライバー / 認知科学 / バーチャルリアリティ |
研究概要 |
高齢・認知症ドライバーによる交通事故の増加が社会問題になる一方、高齢化の進む山間部では自家用車への依存度が上昇している。そこで、高齢ドライバーの運転技能維持、向上に有用な対策が望まれている。本研究では、高齢者がゲーム感覚で実施できる運転トレーニングシステムを開発し、その効果を医学、工学、心理学といった幅広い分野の専門家で検討した上で、運転技能向上、認知機能回復などの効果がより高まるように改良を行うことを目的とする。 本年度は、運転トレーニングシステムを用いた運転訓練の被験者に対して、認知機能検査、安全運転ワークブックによる危険運転度および補償運転度チェックを定期的に行った。その結果、認知機能が大幅に低下している(認知症が疑われる)一部の高齢者を除き、繰り返しの運転トレーニングによって運転能力の上昇が見られるのみでなく、認知機能および補償運転度の上昇、危険運転度の減少が顕著にみられることが明らかとなった。さらに、ドライビングシミュレータ運転中のアクセルペダルの動きを生体ゆらぎの観点から分析した結果、認知機能の推定が可能であることも明かとなった。なお、本年は分析時間の関係から、ドライビングレコーダによる運転データに関しては、交差点での挙動(一時停止の有無、制動時間など)に関するデータのみを運転能力評価に使用したが、今後はレーンキープ能力、車間キープ能力なども分析し、運転トレーニング効果の検証に用いる予定である。
|