(1)フィールド調査と文献調査 子供の社会行動教育の原理と方法、それを支える社会システムについて、インドネシア共和国バリ州の伝統的村落共同体を中心としたフィールドワークを行った。バリ州の複数地域において、主として伝統芸能の継承を通じての社会行動教育に関する現地調査を行い、あわせて、近代的教育システムにおける子供の社会行動教育に関する取材を通じて、近代化にともなう教育システムの変遷についても知見を得ることができた。 上記の現地調査を通じて得られた映像音響資料について編集を施し、子供の社会行動教育に関するメディアライブラリを構築中である。 また、人類発祥の地といわれるアフリカ熱帯雨林に棲むピグミー族の教育に関して、文献および映像音響資料を通じての予備調査を行い、平成21年度に現地調査を予定している。 その他、江戸期の日本、類人猿の教育的行動などに関して、文献および映像音響資料を通じての調査を行った。 (2)本来型社会行動教育に関するモデル構築 上記の文化人類学的アプローチにより得られた知見に関して、脳科学、行動生物学、分子遺伝学等、生命科学領域における最新の知見を導入した生物学的観点からの検討を行い、人類本来型の社会行動教育に関するモデル構築を進めている。
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