平成20年度までに、乳児用ベッドの外観デザイン、ベッドに揺動運動を与える機構の設計、さらに保育者支援の立場から乳児の状態に応じて適切にベッドに揺動運動を与えるシステムの構築をおこない、これらの検討・設計を基に実用1号機を製作した。 平成21年度は実用1号機を使用した約20名のユーザーの意見を踏まえて、改良型ベッドを設計・製作した。具体的実施内容は以下の通りである。 1. 保育者支援の観点から、保育者が操作しやすいリモコンインターフェースをデザインするとの目的に対して、タッチパネル式の大きなリモコンから、ボタン式の小さなリモコンに改良した。 2. 質量が大きすぎるとの意見に対し、個々の構成部品への要求を精査することにより、質量を65kgから45kgに小さくした。さらに4輪のうち2輪に使用していたホイールをキャスターに変更した。これらの改良の結果、女性でも容易に移動可能なベッドとなった。 3. ベッドの安全性の向上については、とくに安全に対して意識が強い子どもプラザの職員の方々の意見を参考にして、角や凸部を排除したベッドケージ部を新設計した。また、モーター容量を40Wから25Wとして過負荷により自ずと停止するとの考え方で安全性を高めた。モーターに関しては当然ながら電流検知により逐次負荷は把握して上でベッドを揺動させることにしている。 以上の改良を加えたものを、電動スウィングベッド「スイマスマート」と命名して製品化した。この製品は、育児負担の軽減に役立つものであり、少子化社会対策として有用なものであると考えている。
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