研究課題/領域番号 |
20650124
|
研究種目 |
萌芽研究
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 里子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 講師 (70313145)
|
研究分担者 |
澤田 康文 東京大学, 大学院・情報学環, 教授 (80114502)
大谷 壽一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 准教授 (70262029)
|
キーワード | 健康食品 / 有用性情報 / 有害事象情報 / リスクコミュニケーション / 情報交換ネットワーク |
研究概要 |
本研究では、投薬に関するアクシデント・インシデント事例を大規模に収集し、医学・薬学的側面のみならず、人間科学的・社会科学的側面からも精細に分析し、それらを分類・整理した「薬物治療に関するアクシデント・インシデントライブラリー」を構築すること、加えて、ライブラリーを活用して、事例間の共通点やパターン、法則性を解析することを目的としている。今年度は、我々が構築・運用しているインターネットを介した全国薬剤師間情報交換・研修システムや地域薬剤師会等を活用し、医療現場からアクシデント・インシデント事例を大規模に収集した。なかでも、専門家が不在の中で行われる患者による服薬ミス・トラブル事例の積極的収集も行った。収集された服薬に関するアクシデント・インシデント事例を分析対象とし、各事例について、事象の整理、問題点の抽出、背後要因の探索の規格化を行った。まず「事象の整理」として関係者の認知・判断・行動を時系列で書き出した。続く「問題点の抽出」では、先に書き出した事項から問題のあるものを抽出した。最後に「背後要因の探索」として、問題点惹起の要因と考えられる事例を列挙し、要因分類を行った。要因分類は、階層構造として、「薬などによる要因」、「患者などによる要因」、「その他の要因」という大分類項目の下に、再分類項目を設けた。これまでに本手法を用いて約130事例の分析を適切に行い、規格化してデータベースに格納することができた。分析の結果、現時点でも医薬品の製剤・包装の改善によりトラブル減少が期待される事例が多く存在することが判明した。現在、これらの分析済みデータを格納するデータベース・ライブラリーの構築を進めている。
|