1.研究フィールド 研究対象として兵庫県播磨地域にある2つの精神医療機関(姫路北病院、播磨大塩病院)に協力を求めた。平成20年度は姫路北病院を中心に調査を行った。 2.精神医療機関に入院中の患者の肥満調査 姫路北病院の入院患者の約7割(143名)が統合失調症である。143名を対象として肥満と糖尿病の調査を実施し、31%に肥満が、10%に糖尿病が合併することを明らかにした。また60歳を境として肥満が減少することも明らかになった。次に肥満群の生活習慣を調査した。その結果、非肥満群と比べ摂取エネルギーには有意差は認めなかったが、身体活動時間と日中の総歩数が有意に少ないことが明らかになった。 3.精神医療機関に入院中の患者のメタボリックシンドローム(MeS)調査 30-65歳の入院患者のうちBMIが22を越える87名を対象とし、MeSの調査を行い、65名の協力が得られた。65名のうち56名の腹囲がMeSの基準を超えた。このうち23名がMeSと診断された。BMIが22以上25未満であった29名のうち24名の腹囲がMeSの基準を越え、精神疾患を持つ患者ではBMIに比して腹囲が大きいことも明らかになった。 4.調査票の改善 「栄養支援項目の調査」と「行動の達成度の調査」の調査票を改良して播磨地域の医療機関で予備調査した。これにより精神医療機関でも使用可能であることが明らかになった。
|