研究概要 |
2年計画の初年度となる本年度は,本研究課題において,次のような研究を行った。 (1)初等中等教育における戦後日本で行われた全国規模の学力調査および学力検査についての関連資料を収集・整理し,研究組織のメンバーで,勉強会を6回行い(6月,8月(2回),10月,11月,12月),若干の検討を行った。特に,進学適性検査(昭和22〜29年度),能研テスト(昭和38〜43年度),全国学力調査(昭和31〜41年度),教育課程実施状況調査(昭和56〜58年度,平成5〜7年度,平成13〜15,17年度)の設計および結果の一部分について精査を行った。 (2)2月に,国立教育政策研究所にて公開研究会を開催し,(1)の成果について発表を行った。 (3)3月に,上記の結果をまとめた中間報告書「戦後日本における全国規模テスト」を刊行した。 得られた主な知見は以下のとおりである。各学力調査・学力検査において,年度ごとに,設計の見直しが行われることが多く,また,過去の調査・検査の手法があまり生かされないまま新たな調査・検査が実施されてきたといえる。そのため,科学的な評価法及び測定法についての精査は済んでいないが,調査・検査の設計段階で,経年変化分析を行うことはほとんど不可能であったと考えられる。また,得点分布を半世紀以上のテストの得点分布を教科別に見ていくと,学校段階や教科・科目による特徴が見受けらる。なお,科学的な評価法及び測定法についての精査については次年度の検討課題とする。
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