研究概要 |
2年計画の最終年度となる本年度は,本研究課題において,次のような研究を行った。 (1)初年度に引き続き,初等中等教育における戦後日本で行われた全国規模の学力調査および学力検査についての関連資料を収集・整理し,研究組織のメンバーで,勉強会を行い検討を行った。進学適性検査(昭和22~29年度),能研テスト(昭和38~43年度),全国学力調査(昭和31~41年度),教育課程実施状況調査(昭和56~58年度,平成5~7年度,平成13~15,17年度)に加え,全国学力・学習状況調査(平成~19~21年度),共通第一次学力試験(昭和54~平成元年度),大学入試センター試験(平成2~平成22年度)についても,設計および結果についての精査を行った。 (2)3月に,上記の結果をまとめた研究成果報告書「戦後日本における全国規模テスト改訂増補版」(全463ページ)を刊行した。 得られた主な知見は以下のとおりである。各学力調査・学力検査において,(1)で記した7つの学力調査・学力検査(試験)は,設計段階で過去の何らかの調査・検査(試験)を参考にしているため,すべて繋がっているにもかかわらず,過去の調査・検査の手法,特に結果分析手法に関してめまり生かされないまま新たな調査・検査が実施されてきたといえる。政策に左右される部分も否めないが、結果分析については,進学適性検査,能研テストの時代がマックスで,それ以降は年々基礎的な1次分析という方向にシフトしてきたといえる。
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