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2009 年度 実績報告書

オイル中の残留性有機汚染物質を高効率的に分離回収できる革新的吸着剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20651018
研究機関大阪大学

研究代表者

木田 敏之  大阪大学, 工学研究科, 准教授 (20234297)

研究分担者 明石 満  大阪大学, 工学研究科, 教授 (20145460)
網代 広治  大阪大学, 臨床医工学融合研究教育センター, 特任講師(常勤) (50437331)
キーワード残留性有機汚染物質 / ポリ塩素化ビフェニル(PCB) / シクロデキストリン / 吸着材 / 分離回収 / ポリマー
研究概要

γ-シクロデキストリン(γ-CD)がチャンネル状に配列した集合体(チャンネル型γ-CD)を吸着剤に用いて、絶縁油中の塩素化ベンゼンならびにポリ塩素化ビフェニル(PCB)に対する吸着能について検討した。チャンネル型γ-CD(180mg)を用いることで、1,2,4-トリクロロベンゼン、1,3,5-トリクロロベンゼン、2-モノクロロビフェニル、4-モノクロロビフェニル、4,4'-ジクロロビフェニル、3,4,4'-トリクロロビフェニル(各100ppm濃度)をほぼ完全に絶縁油(300mg)中から除去できることが分かった。その一方で、より立体的にかさ高い3,3',5,5'-テトラクロロビフェニルはほとんど除去されなかった。前者の塩素化ベンゼンならびにポリ塩素化ビフェニルの分子サイズがγ-CDの空孔サイズに適合しているのに対して、3,3',5,5'-テトラクロロビフェニルの分子サイズはγ-CDの空孔内に取り込まれるには大きすぎると考えられ、γ-CD空孔内への塩素化芳香族化合物の包接が絶縁油中のそれらの吸着に関与していることがわかった。また、吸着後のチャンネル型γ-CDをn-ヘキサンなどの有機溶媒で洗浄することにより、吸着した塩素化芳香族化合物の約70%を回収できることが明らかとなった。
さらに、γ-CDをテレフタル酸で架橋したCDポリマーを合成し、これを吸着剤に用いて絶縁油中の塩素化ベンゼンならびにPCBに対する吸着能について検討した。興味深いことに、この吸着剤を用いることで、トリクロロベンゼンに加えて、検討したすべてのPCBを絶縁油中から完全に除去することができた。また、実際に保管されているPCB汚染絶縁油中のPCBも完全に除去でき、絶縁油中に混入しているPCB除去にきわめて効果的であることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 6-O-Modified β-Cyclodextrin Enabling Inclusion Complex Formation in Nonpolar Media2009

    • 著者名/発表者名
      Toshiyuki Kida, et al.
    • 雑誌名

      Organic Letters

      ページ: 5282-5285

    • 査読あり
  • [学会発表] 6位修飾シクロデキストリンによる非極性溶媒中での分子認識2009

    • 著者名/発表者名
      木田敏之, ら
    • 学会等名
      第58回高分子討論会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      2009-09-17
  • [学会発表] 非極性有機媒体中でのシクロデキストリン誘導体と芳香族ゲスト間での包接錯体形成2009

    • 著者名/発表者名
      木田敏之, ら
    • 学会等名
      第26回シクロデキストリンシンポジウム
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター (宇都宮市)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] 非極性有機媒体中でのシクロデキストリン誘導体による分子認識2009

    • 著者名/発表者名
      木田敏之, ら
    • 学会等名
      第19回バイオ・高分子シンポジウム
    • 発表場所
      東京大学先端科学技術研究センター(目黒区)
    • 年月日
      2009-07-29
  • [学会発表] 非極性有機媒体中でのシクロデキストリン誘導体による分子認識2009

    • 著者名/発表者名
      木田敏之, ら
    • 学会等名
      第5回ホスト・ゲストシンポジウム
    • 発表場所
      宇都宮大学(宇都宮市)
    • 年月日
      2009-05-30

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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