本研究は、CO2削減のために、電動車の普及を図る準備として行っている。本研究での検討結果、ならびに研究成果を、H20年度研究計画の各項目毎に以下に記す。(1)太陽光パネルの検討:普及のためにコストを抑える必要があり、発電効率の優れたソーラーパネルではなく、普及型のパネルを採用することにした。(2)風力発電の検討:自然エネルギとして、太陽光と風力の相補的な効果を期待したが、充電容量の増設で補えること、風力発電における機械部分のメンテナンスの問題から、太陽光のみを利用することにした。(3)充電制御回路の開発:すでに、電動車の回生エネルギ回収のための回路で実現している充電回路を太陽光発電システムへ応用することを考えているので、後述の非接触給電回路の開発を優先して、充電制御回路設計のために太陽光パネルの電圧電流特性を確認するだけにとどめた。(4)需要調査:本研究の着眼点の妥当性を確認するために、電動自転車に関するアンケート調査を行った。その結果、「価格の低減」、「車両重量の低減」、「充電管理のわずらわしさからの解放」を期待していることが明らかになった。これらのことから、電動車の電池の量を減らし、価格と重量を低減する。そして、電池に優しい微弱電流による充電(トリクル充電)でいつでもどこでも充電できるようにする方法が考えられ、本研究での提案が妥当であることが確認できた。(5)実試用システムの製作:設計後、部品の購入、材料の切り出しなどを終了して、組み立てるだけの段階に至った。(6)実試用システムの評価:早急にシステムを完成させ、平成21年度の研究で評価を行うことにした。(7)給電方式の検討:電磁誘導を用いた非接触給電方式を採用し、回路を開発した。充電専用ICを利用して充電効率80%以上の回路を開発できた。また実際に電動自転車へ回路を搭載して、システムとして問題がないことを確認した。(8)研究とりまとめ:研究成果を日本機械学会東北支部講演会で発表した。
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