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2009 年度 実績報告書

モーター蛋白質駆動型の人工色素細胞による光学素子

研究課題

研究課題/領域番号 20651038
研究機関北陸先端科学技術大学院大学

研究代表者

平塚 祐一  北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 講師 (10431818)

キーワードマイクロマシ / ナノバイオ / 分子モーター / 生体分子 / マイクロナノデバイス
研究概要

本研究の目的は、モーター蛋白質の運動能を利用した魚類の色素細胞様の人工細胞を構築、生体分子で駆動する光学素子(ディスプレイ)を開発し、モーター蛋白質の応用研究の新展開を図ることである。ある種の魚類では体表を周囲の環境に応じ保護色化する。これは体表に存在する色素細胞(メラノフォア)内の色素顆粒が分散または凝縮することにより変化が生じている。メラノフォアには繊維状蛋白質である微小管が細胞の中心から放射線状に配置化されており(アスター構造)、色素顆粒がモーター蛋白質により微小管に沿って細胞中心または細胞周辺に運搬されることで凝集または拡散が起こり、その結果、見かけ上表面色が白または黒に変化する。本研究ではこのナノシステムを人工環境下に構築し、モーター蛋白質で駆動する光学素子を開発する。
昨年度は、本研究の要素技術の一つ極性の揃った微小管アスターを微細加工技術とモータータンパク質技術を融合させガラス基板上にグリッド状に構築することに成功させた。本年度は、このアスター微小管上で色素顆粒をモータータンパク質により運搬させたメラノフォア様システムを人工環境下に構築すること取り組んだ。モータータンパク質として緑藻類・クラミドモナスの鞭毛から単離した鞭毛ダイニンを利用した。ガラス基板上に作成したアスター微小管上に色素顆粒を付加したダイニンとcagedATPを添加したところ、色素顆粒はアスター微小管全域に均一に分布し結合した。その後UVを照射しATPを放出させダイニンの運動を活性化すると、色素顆粒がダイニンの運動作用によりアスター中央に運搬され、マイクロチャンバの色変化を作り出すことに成功した。これは分子素子により駆動する微小機械といえ、ここまで複雑な人工的なナノシステムの構築例は世界的に見ても少ない。こうした分子レベルから構成される微小機械は今後のマイクロマシン技術の発展に大きく寄与すると期待している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Development of an Optical Device Driven by Microtubule Motor Protein2009

    • 著者名/発表者名
      青山晋, 平塚祐一
    • 学会等名
      Joint Symposium of 20^<th> CHEMINAS, ISMM 2009 & NT2009
    • 発表場所
      The Forth High School Memorial Museum(Kanazawa)
    • 年月日
      2009-11-08
  • [学会発表] モーター蛋白質で駆動するバイオディスプレイの開発2009

    • 著者名/発表者名
      青山晋、平塚祐一
    • 学会等名
      第47回生物物理学会
    • 発表場所
      徳島コンベンションセンター(徳島)
    • 年月日
      2009-11-01
  • [図書] 超分子サイエン、第4章バイオ超分子:第1節生態系に見る超分子構造とナノバイオ応用:「モータータンパク質で駆動するマイクロマシン」pp.860-8682009

    • 著者名/発表者名
      平塚祐一
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      NTS出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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