研究課題/領域番号 |
20651042
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
柴山 知也 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学(系)研究科(研究院), 教授 (40143391)
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研究分担者 |
柴山 真琴 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (40350566)
佐々木 淳 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50292884)
高木 泰士 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 特別研究教員 (00422585)
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キーワード | プロジェクトマネジメント / 建設社会学 / 意志決定 / 技術者倫理 |
研究概要 |
建設現場における意思決定のプロセスを分析するために、主に品質管理、工程管理と安全管理の三つを取りあげて研究を進めた。日本の建設管理の方法を土木建設の現場においてエスノグラフィーの手法を用いて観察するための方法論と、建設社会学的な手法により分析し、検討を加えるための理論的方法を整理した。トンネル建設現場Aにおいて新たに予備的な調査を行うとともに、これまでに収集した別のトンネル工事現場Bのデータを再分析し、これらのデータを対照しながら予備的な考察を行った。このためにまず、現場における参与観察データ、及び現場管理者、技能者へのインタビューデータを通じて、現場における作業者の具体的な行為の意味とその連関を考え直すための基礎データの整理を行った。データ処理のためにパーソナルコンピュータを使用した。近年の公共工事の入札制度の改定により、技術提案型の公募では現場に新たな試みを行うための負担がかかり、現場を構成する異なる集団(元請会社と下請会社など)のコミュニケーションの齟齬により問題が顕在化する場合があることがわかった。今回収集した新たなデータでは、異なる集団間での意志の伝達が充分ではなく、また、伝達の経路がそれぞれの集団の担当者のみに限られている場合に、その担当者の負担が大きくなりすぎて問題が顕在化する場合が見られた。また、自らが技術提案時に示した提案が実際にはうまく機能しない場合があり、この場合にも集団間のコミュニケーションの欠如が現場の技術者に大きな負担を強いていることが解った。また、これらの分析結果を国際的に比較するためのマクロデータを海外研究協力者から入手した。
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