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2008 年度 実績報告書

ヒトゲノムに散在する巨大遺伝子の発現機構:イントロン内スプライシング予想の証明

研究課題

研究課題/領域番号 20651051
研究種目

萌芽研究

研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

前田 明  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (50212204)

キーワードスプライシング / イントロン / ジストロフィン遺伝子 / 投縄状RNA / RNase R
研究概要

ヒトの重要な遺伝子にしばしば見出される10万塩基を超える巨大なイントロンが、どのような機構で正確にスプライシングされるかは現在のところまったく分かっていない。私たちはイントロン内部のスプライス部位に似た配列でスプライシングが起こっている実験的状況証拠を得ており、巨大イントロンのスプライシング機構として『イントロン内スプライシング(Nested intron splicing)仮説』を提唱しており、その仮説の証明が本研究課題の目的である。初年度(平成20年度)は、ジストロフィン遺伝子の巨大イントロン7(約10万塩基)を用いて『イントロン内スプライシング仮説』を検証を最優先に行った。今のところ以下の結果を得ている。
RT-PCR法により部分的に検出したスプライシング特異的産物であるイントロン7の投縄状RNAは、3'-5'エクソヌクレアーゼ(RNase R)処理後も検出できたことから、巨大イントロン7はスプライシングの過程でY字構造ではなく、投縄状構造をしていることが示唆された。その投縄状RNAの全体をRT-PCR(RNase R処理後)や、RACE法で検出しようと試みたが、残念ながらうまくいかなかった。そこで、研究計画書で記載したように、投縄状RNAの蓄積を期待して、siRNAによって脱ブランチ酵素発現を抑制し、そのRNA標品を用いてRT-PCR法を行ったが、やはり長い領域での投縄状RNAの検出はできなかった。以下のような可能性が考えられる。(i)イントロン7の投縄状RNAが非常に短く、スプライシング特異的産物に設定したプライマーでは検出できない。(ii)イントロン7の投縄状RNAが逆に非常に長く、PCRで増幅されない部位は、二次構造などのため、逆転写酵素が伸長しない。両方の可能性を同時に検証するため、RNase R処理した全RNA標品と、検出できたスプライシング特異的産物の放射性標識RNAをアニールさせ、変性ゲル電気泳動によりスプライシング特異的産物の長さを検出する計画をたてている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 3'-5'エクソヌクレアーゼ(RNase R)を用いて全RNA標品から投縄状RNAだけの標品を調製する方法は、Epicentre Biotechnology社によって商品化された。商品カタログが以下のWebページにその商品カタログがあり、私たちの研究成果が引用されている。

    • URL

      http://www.epibio.com/item.asp?id=509

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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