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2009 年度 実績報告書

脂肪蓄積阻害作用を示す環状ペプチド(-)-テルナチンの生物有機化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20651058
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

上村 大輔  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00022731)

キーワードテルナチン / 3T3-L1前駆脂肪細胞 / 脂肪蓄積阻害活性 / 細胞内標的 / プルダウンアッセイ
研究概要

(-)-テルナチンの標的分子を同定するために、本化合物を導入したプローブの合成を行った。まず始めに、リンカーを介してテルナチンとビオチンを結合したケミカルプローブの合成を試みた。しかし、各種条件を検討したが、アジドとアセチレンの連結反応(クリックケミストリー)が進行せずこのルートを断念した。そこで、東北大学大学院薬学研究科叶准教授との共同研究により、UV照射のみで化合物を連結可能なフォトリンカーを用いて、プローブの合成を試みた。構造活性相関より得た知見より、活性型テルナチンと非活性型テルナチンを選択した。そして、これら化合物を導入したポジティブプローブとネガティブプローブの合成を行い、2種類のプローブの合成に成功した。まず、何も化合物の導入されていないフォトプローブを用いて分化誘導5日目の無細胞抽出液から、プローブに非特異的に結合するタンパク質を除いた。次いで、活性型と非活性型のテルナチンを含むフォトリンカーを用いてプルダウンアッセイを行った。そして、得られたタンパク質を電気泳動により分析を行った結果、ポジティブプローブに特異的に結合するタンパク質のバンド(約60kDaと90kDa)を見いだすことに成功した。現在、これらのバンドを切り出して、MALDI-TOF-MASSによる解析を勧めている。タンパク質同定後は、それを足がかりとして脂肪蓄積メカニズムの解明を行う予定である。また、より合成容易な同族体の合成を行い、生体内試験を継続させている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Exploratory research on bioactive natural products with a focus on biological phenomena2010

    • 著者名/発表者名
      D.Uemura
    • 雑誌名

      Proc.Jpn.Acad.Ser.B 86

      ページ: 190-201

  • [雑誌論文] Application of FITC-labeled Ternatin on Its Cellular Localization in 3T3-L1 Murine Preadipocytes2009

    • 著者名/発表者名
      K.Shimokawa, O.Ohno, K.Yamada, Y.Oba, D.Uemura
    • 雑誌名

      Chem.Lett. 38

      ページ: 150-151

    • 査読あり
  • [雑誌論文] (-)-Ternatin inhibits adipogenesis and lipid metabolism in 3T3-L1 cells2009

    • 著者名/発表者名
      M.Ito, J.Ito, H.Kitazawa, K.Shimamura, T.Fukami, S.Tokita, K.Shimokawa, K.Yamada, A.Kanatani, D.Uemura
    • 雑誌名

      Peptides 30

      ページ: 1074-1081

    • 査読あり
  • [学会発表] 食品素材と天然物有機化学2009

    • 著者名/発表者名
      上村大輔
    • 学会等名
      慶應義塾大学生命科学シンポジウム「食と医科学、そして健康長寿」
    • 発表場所
      東京、慶應義塾大学三田キャンパス北館ホール
    • 年月日
      2009-12-08
  • [産業財産権] 環状ヘプタペプチド及びその用途2010

    • 発明者名
      上村大輔、下川賢一郎、岩瀬賢明、山田薫
    • 権利者名
      名古屋大学
    • 産業財産権番号
      特許、特許第4441621号
    • 取得年月日
      2010-01-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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