研究課題
(-)-テルナチンの標的分子を同定するために、本化合物を導入したプローブの合成を行った。まず始めに、リンカーを介してテルナチンとビオチンを結合したケミカルプローブの合成を試みた。しかし、各種条件を検討したが、アジドとアセチレンの連結反応(クリックケミストリー)が進行せずこのルートを断念した。そこで、東北大学大学院薬学研究科叶准教授との共同研究により、UV照射のみで化合物を連結可能なフォトリンカーを用いて、プローブの合成を試みた。構造活性相関より得た知見より、活性型テルナチンと非活性型テルナチンを選択した。そして、これら化合物を導入したポジティブプローブとネガティブプローブの合成を行い、2種類のプローブの合成に成功した。まず、何も化合物の導入されていないフォトプローブを用いて分化誘導5日目の無細胞抽出液から、プローブに非特異的に結合するタンパク質を除いた。次いで、活性型と非活性型のテルナチンを含むフォトリンカーを用いてプルダウンアッセイを行った。そして、得られたタンパク質を電気泳動により分析を行った結果、ポジティブプローブに特異的に結合するタンパク質のバンド(約60kDaと90kDa)を見いだすことに成功した。現在、これらのバンドを切り出して、MALDI-TOF-MASSによる解析を勧めている。タンパク質同定後は、それを足がかりとして脂肪蓄積メカニズムの解明を行う予定である。また、より合成容易な同族体の合成を行い、生体内試験を継続させている。
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