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2008 年度 実績報告書

絶滅危惧種の保全を目指した林床植物の菌根共生系の多様性と菌根菌ネットワークの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20651061
研究種目

萌芽研究

研究機関三重大学

研究代表者

松田 陽介  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 助教 (30324552)

研究分担者 伊藤 進一郎  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 教授 (90092139)
キーワード林床植物 / キンラン / 根系 / イボタケ科 / ロウタケ科 / 菌糸ネットワーク
研究概要

本年度はキンランの根系内における菌根の形成状況と,定着する菌根菌を明らかにすることを目的とした。3調査地からキンランの乱獲を出来る限り防ぐため2種類の方法で行った。根系をすべて採取する方法によって合計7個体,根1本を採取する方法によって合計12本の根を採取した。根系すべてを採取した試料は菌根形成率算出と菌根菌の推定に,根のみを採取したものは菌根菌の推定のみ使用した。採取した根系は,根の伸長方向から水平根,垂直根,その間の斜出根に大別し,根元から2cm長の断片とし,各断片をさらに20から30の切片にした。切片はコイル状菌糸体(ペロトン)の有無を確認し,ペロトンが確認された場合にラン菌根の形成があるとし,その形成位置を断片単位で記録した。菌根形成を確認した断片の全断片に占める割合から菌根形成率を算出した。菌根菌の推定はゲノム抽出を行った後,ITS領域のPCR増幅,シーケンス解析を行い,得られた塩基配列は,Blast検索によって菌の推定を行った。1個体を除くすべての個体で,菌根の形成が認められ,キンランは普遍的に菌根形成されると考えられた.また各根の伸長方向別の菌根形成率では,水平根において高い傾向を示した.定着する菌根菌は,7個体からイボタケ科,3個体からロウタケ科と最も類似した。イボタケ科とロウタケ科は樹木にも菌根を形成する.このことから,キンランでは,新たな菌根形成は根の先端側で起こり,関係する菌根菌は菌糸を通した樹木とのつながりがあるものと推察された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Colonization patterns of mycorrhizal fungi associated with two rare or chids, Cephalanthera falcata and C. erecta.2009

    • 著者名/発表者名
      Matsuda, Y., et al.
    • 雑誌名

      Ecological Research (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] (2008) Monotropastrum humile var. humile is associated with diverse ectomycorrhizal Russulaceae fungi in Japanese forests.2008

    • 著者名/発表者名
      Yamada, A., et al.
    • 雑誌名

      Ecological Research 23

      ページ: 983-993

    • 査読あり
  • [学会発表] イチヤクソウに形成された菌根とその菌根菌種2008

    • 著者名/発表者名
      森万菜実ら
    • 学会等名
      2008年度菌根研究会
    • 発表場所
      山形大学(山形県鶴岡市)
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] 照葉樹林における菌根菌子実体の発生とベニタケ科子実体の分類属性2008

    • 著者名/発表者名
      小熊昭彦ら
    • 学会等名
      2008年度菌根研究会
    • 発表場所
      山形大学(山形県鶴岡市)
    • 年月日
      2008-10-18
  • [学会発表] 菌糸で繋がれる森の植物-菌根菌ネットワークの実態を探る-2008

    • 著者名/発表者名
      松田陽介
    • 学会等名
      日本菌学会第52回大会
    • 発表場所
      三重大学(津市)
    • 年月日
      2008-06-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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