研究課題/領域番号 |
20652010
|
研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
藪内 直樹 (藪内 佐斗司) 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (10376931)
|
研究分担者 |
深井 隆 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70156735)
北郷 悟 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (70242394)
佐藤 道信 東京芸術大学, 美術学部, 教授 (30154074)
山口 泰 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (80210376)
三浦 康道 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 非常勤講師 (10466998)
|
キーワード | 文化財 / 3D / 彫刻 / 構造 / 保存修復 |
研究概要 |
今年度も昨年度に引き続き研究の元データとなる3Dレーザー計測を行い、3Dデジタルデータによる文化財教育への応用として、彫刻文化財の模刻制作に3Dデジタルデータが基礎技能向上の点で大いに効果的であると考え、教育現場での活用を行った。主に一木造り、寄木造り、乾漆技法による彫刻を対象にした。 模刻制作に3Dデータを応用することにより以下の効果が確認された。 1、レーザー計測で得られた詳細な法量に基づく、無駄のない木材の調達と木取り。 2、3Dデータで作成した投影図を木材に直接貼り付けることによる的確かつ迅速な荒取り作業。 3、各所の断面線を用いた検証。 4、PC画面上による360度にわたる観察。 またこれらの効果を一層高いものにするための検討を行い、改善策として以下のことを考察した。 1、模刻途中段階のものをレーザー計測し3Dデータを原本のものと比較することにより生じる差異。 2、従来模刻において見落としがちな部分の認識への理解を促す、デジタルデータの可視化方法および表現方法。 以上のように可能な限りの技術を用いることによる模刻手法を確立することを試み、その精度を高め、3Dデータによる模刻の有効性がより実証できた。 またレーザー計測作業をさらに効率化するための方法や表現方法においてもさらなる工夫を加えた。特によりコンパクトな形でレーザー計測、データ処理を行う手法や模刻を前提とした3D資料をいかに効率的に作成する方法を平成22年度への課題として残した。
|