研究課題/領域番号 |
20652011
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
長濱 雅彦 東京芸術大学, 美術学部, 准教授 (70345338)
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研究分担者 |
中本 高道 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20198261)
大西 景太 東京芸術大学, 美術学部, 教育研究助手 (90466996)
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キーワード | 匂い / 複合情報 / インタラクティブデザイン / 嗅覚 / サインデザイン / 香り / ゲーム / サインシステム |
研究概要 |
既存の嗅覚ディスプレイ装置を小型化し、様々なデザイン表現に応用し易い仕様に東工大中本が改良、外注業者(ニワテック株式会社)に制作を依頼し平成20年10月納品された。これまでのものと比較すると約30%小さく、空気ボンベを使用しないポンプ対応なため音も押さえられており、仕様シーンの拡大並びに使い勝手が向上した。 装置が完成するまでの4月から9月までの間は、芸大長濱、大西が視覚デザインに依存しないデザイン表現の可能性を検討、アイデア展開から具体的なデザイン案に結びつけ、大きく二つの方向性を決定した。 ひとつは、(1)匂い情報を様々なサインシステムに応用するインタラクティブデザインのアイデア。そしてもうひとつは近年人気を博す(2)家庭ゲーム等に応用可能な人間の行為と匂いをリンクさせる作品アイデアである。 今年度は主に前者のインタラクティブなデザイン作品を、今期中(3月末)にまとめることに主眼を置き、その作品を完成させるに必要な研究協力者をピックアップ。音づくりとプログラミングは芸大の音楽環境創造科の学生2人、(1)の作品のデザイン制作協力者は芸大長濱研究室の修士学生とした。 今年度完成した作品のタイトルは「カジツノミリョク」。約60センチの正円の画面に果物の断面が映し出され、センサーに対応する電子ピーラー(皮むき)を人が動かすと、新たに別の果物が現れる内容である。例えばオレンジの画像が映し出されている時はオレンジの香りがし、画像を電子ピュラーでキュウイに変えると匂いが徐々にキュウイに変わっていくというものだ。 その作品は平成21年2月末本学の大学美術館で開催された修了作品展覧会に出品。多くの来館者に実際に体感、感想をもらった。詳細なまとめは次年度に行うが、嗅覚情報が加わることで、メディアコンテンツそのものの価値が、現状の視覚中心のものに比べ増大することが確認された。
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