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2008 年度 実績報告書

芸術領域のおける模写制作の実践的研究-韓国通度寺霊山殿彩色・壁画を対象として-

研究課題

研究課題/領域番号 20652014
研究種目

萌芽研究

研究機関京都嵯峨芸術大学

研究代表者

箱崎 睦昌  京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 教授 (90351379)

研究分担者 仲 政明  京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50411327)
キーワード通度寺 / 模写 / 韓国仏教壁画 / アタカマイト / ムールアイト / 多宝塔壁画 / 文化財建造物 / 装飾彩色
研究概要

平成20年8月に韓国通度寺霊山殿研究対象壁画前に足場を設置し韓国・台湾・日本三国共同で詳細調査を行った。本調査において、写真資料からでは判断できない、絵具層の重なりや損傷状況を詳細に記録すると共に、構造体と絵画面の歪みとの関連等の調査を行った。その結果、壁面全面に緑土を下地として使用しており、多宝塔の壁面や扉には、盛り上げ技法を用いて、雲母が塗布されていることが判った。また、後補部分の検証においては、構造体から見ると壁画上部が後補の可能性も考えられたが、韓国建築の専門家との話し合いの中で、日本と韓国の建築方法の違いがあることが判り、再度、現状を調査した結果、当初彩色と断定した。また、一部顔料試料を採取し本国に持ち帰り顔料分析を行った。当初から緑色顔料として、アタカマイト・ムールアイトの使用の可能性が問題視されていたが、両者が銅の二次鉱物であるため、絵具として使用するだけの採取量が見込めない点や韓国において採掘箇所が特定できない等の絵具として単独で両者を使用するには疑問点が多く、偶然に混入していたか経年による変化により、生成されたと判断した。しかし、この問題については、今後も調査、検討が必要である。また通度寺伽藍内の大雄殿、大明光殿、龍華殿、観音殿の装飾彩色の意匠・技法素材の変遷を調査する上での基礎資料収集のための写真撮影を行い、類例調査として新興寺・無為寺の装飾彩色を調査した。本調査で判明した結果をもとに、当該年度は対象壁画中段の復元模写を行った。尚、平成20年9月に再度韓国通度寺に赴き、韓国側の現状模写の進行状況を確認すると共に、シンポジウムの開催を含め今後の進行について打合せを行い、平成21年度12月に本年度予算を繰越、本学にてシンポジウムを開催した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 通度寺霊山殿『妙法蓮華経・見宝塔品』壁画構造体からの考察2009

    • 著者名/発表者名
      箱崎睦昌・仲政明・森本有佳
    • 雑誌名

      京都嵯峨芸術大学紀要 34号

      ページ: 40-44

  • [雑誌論文] 通度寺霊山殿『妙法蓮華経・見宝塔品』壁画構造体からの考察2008

    • 著者名/発表者名
      箱崎睦昌・仲政明・森本有佳
    • 雑誌名

      韓国仏教美術史学会学会誌 11

      ページ: 70-81

  • [学会発表] 通度寺霊山殿『妙法蓮華経・見宝塔品』壁画構造体からの考察2008

    • 著者名/発表者名
      仲政明
    • 学会等名
      韓国仏教美術史学会
    • 発表場所
      韓国通度寺聖宝博物館
    • 年月日
      20080500

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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