1.まんが、アニメーション、および、映画の成立過程における歴史的検証。先行するまんが史研究をふまえ、まんが表現の日本型形式であるとされる「映画的手法」の成立史が映画史と密接な関係にあることを改めて確認し、歴史的な検証を通じて、まんが教育と映画教育の関係性の歴史的根拠を明らかにした。 2.実制作を通してのワークショップによる検証。コミック作品のアニメーション映画化のワークショップを介して、まんが、および、アニメーションの演出方法論上の同一性と差異について実践的に確認することで広汎な映像創作の教育プログラム化の基礎づくりを行った。それぞれが異なる領域の表現技法を深化させてきている現在においても、その根本には共通する土台があることに着目した。また、先行する映画理論研究をふまえて論理的に裏付けを行った。その際に、特に映画教育とまんが・アニメーション教育を密接に行うことで効率的な教育が達成可能であることに注目し、教育プログラム化を行った。 3.教育プログラム化については、以上の基礎研究を通して、まんが、アニメーション、映画の三領域の演出部分に関しての共通性に基づく教育プログラムをカリキュラムとして構築することが可能であることを確認し、その一部をより具体的には実践し、有効性の検証に入るとともに、同一の素材から三領域の演出用絵コンテ及びストーリーリール作成を簡易に可能にするツールのプロトタイプの制作を行った。
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