研究課題/領域番号 |
20652017
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研究種目 |
萌芽研究
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
一柳 廣孝 国立大学法人横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40247739)
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研究分担者 |
橋本 順光 国立大学法人横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (80334613)
金子 毅 東京基督教大学, 神学部, 助手 (30383417)
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キーワード | オカルト / 秘境 / 人類学 / エーリッヒ・フォン・デニケン / シャンバラ / 台湾 / UFO / 精神世界 |
研究概要 |
研究課題を達成するために、平成20年度も2ヶ月に1回のペースで研究会を行った。これまでの研究成果『オカルトの帝国1970年代の日本を読む』(2006、青弓社)が、70年代における日本のオカルトブームを焦点化したことを受け、今年度は、80年代における日本でのオカルトの受容状況を、国内における流行現象としてのみ把握するのではなく、国際的な視点から分析することを目指した。その成果は『オカルトの惑星 1980年代、もう一つの世界地図』(2009、青弓社)の刊行という形で結実した。本書では、一柳が「カリフォルニアから吹く風 オカルトから「精神世界」へ」を、橋本が「デニケンブームと遮光器土偶=宇宙人説」を、そして金子が「オカルト・ジャパンの分水嶺 純粋学問としての人類学からの決別」を執筆している。同書の刊行は、当初の研究目的として掲げていた「日本における「オカルトブーム」の実証的調査」の研究実績として位置づけることができる。また同書では、伊藤龍平が「台湾のオカルト事情」を執筆しており、こちらは、同じく当初の研究目的だった「アジア圏をフィールドとする日本発オカルトの受容調査」の一環である。同書によって、戦後日本におけるオカルト文化史を、さらに通時的に推し進めることができたと考えている。また、宗教学・民俗学・文化人類学・歴史社会学・英文学・日本近代文学など、多様な領域からのアプローチによって、80年代のオカルトをめぐる現象が多角的に浮かび上がったと考えている。
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