平成22年度は4回の研究会をおこない、以下の方々の発表について検討した。志村三代子氏「戦後の『透明人間』-恐怖映画とジェンダーをめぐって」、鷲谷花氏「3DCGアニメーションにおける「不気味なもの」-または我々はいかに心配するのを止めてCGを愛する、ようになったか」、越野剛氏「ソ連におけるオカルト・超科学について」、濱野志保氏「写真と流体-ヨーロッパにおけるエネルギー写真と念写」。また、天理市に天宮清氏を訪ね、CBAに関するインタビューをおこなった。さらに雑誌「GORO」におけるオカルト関連記事のデータベースを作成した。今年度は本研究プロジェクトの完成年度にあたり、それまでの活動・研究報告の総括として「現代日本における「オカルト」の浸透と海外への伝播に関する文化研究研究成果報告書」をまとめた。研究会活動報告、本研究プロジェクトメンバーの研究成果などからなる「研究の概要」、「吉永進一氏インタビュー」、「新倉イワオ氏インタビュー」、「天宮清氏インタビュー」、「雑誌「GORO」オカルト関連記事一覧」が、その内容である。吉永氏の記事からは60~70年代におけるオカルト研究史、新倉氏からはテレビメディアにおける心霊シーンの変遷、天宮氏からは、日本におけるUFO研究の変遷とサブカルチャーへの影響関係など、きわめて貴重なお話をうかがうことができ、価値ある研究成果報告書になったと自負している。
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