『老葉』(宗祇 連歌集) 今年度は連歌資料の充実の為に「老葉」の写本を入手した。書写のよい無注本であり、既知の写本とはまた違った性質をもっている。これは翻刻等を発表する予定である。これによって、未完となっている「老葉」諸本の精密な成立経過について新知見が得られると期待される。 『北野大茶湯 大検証』 また文献学的成果としては、秀吉が天正十五年十月一日に北野天満宮で行った北野大茶湯に関する資料を集大成した。全資料を網羅し、北野大茶湯記については系統学的考察を行った。これにより、従来の説は大幅な変更が迫られ、特に大茶湯において茶道具の三飾席と、秀吉・利休等による四茶席の配置が初めて実証的に推定できることとなった。 『名物茶入の物語』 また、従来より進めていた茶道名物記の文献学的考察については、雑誌連載をとり纏めてさらに情報を追加し、総合的な一書とした。
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