研究課題/領域番号 |
20652024
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川那部 保明 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (10169740)
|
研究分担者 |
山口 恵里子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (20292493)
武井 隆道 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (10197254)
吉野 修 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (70230787)
江藤 光紀 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 講師 (10348451)
|
キーワード | ノイズ(非・言語) / アルチュール・ランボー / プリミティヴィズム / 身体コミュニケーション / ジャン=ジョルジュ・ノヴェール / 吉増剛造 / フランツ・カフカ / ヴァレーズ |
研究概要 |
20世紀ヨーロッパの文学・芸術行為が抱える「ノイズ」が現代社会に現す創造性と共同性を明らかにすることが本研究の目的である。最終年度の23年度は、各人が研究を総括しつつ、20世紀の文学・芸術が「ノイズ」を抱える過程を明らかにした。川那部は、断片となった言葉を通して沈黙を共有する試みをおそらく初めて意識的に展開したA・ランボーのポエジーを、20世紀の非・言語的(ノイズ的)表現行為の先がけとして位置づけた。山口は、R・ロングの彫刻に関する研究を美術館の講座で発表した他、20世紀芸術にノイズが孕まれる過程を19世紀英国美術のプリミティヴィズムに探った。武井は、ヨーロッパ20世紀芸術の起源としての18世紀の身体コミュニケーションのあり方を、舞踊(ノヴェール)、彫刻評論(ヴィンケルマン)、文学(ゲーテ)等の領域で分析し、文化の基底にある身体把握の軸のアレゴリーからリアルな身体存在感覚への移行を追った。吉野は、非選択的知覚と太古の記憶の痕跡との関係を調査した。詩と祈りについては詩人の吉増剛造の作品、エクリチュールと祈りの所作に関してはカフカ作品の研究を行った。江藤は、22年度にスイスのパウル・ザッヒャー財団で調査・収集したヴァレーズの「ポエム・エレクトロニック」に関する資料の分析成果を発表し、さらに論文として出版した。以上の他に、山口はイエール大学のT.バリンジャー教授を招聘した講演会"The Condition of Music:The Aesthetic Movement"(2010年5月27日)、吉野は内田真弓による講演会「アボリジニーアートで世界をむすぶ仕事」(2011年2月24日)を各々筑波大学で開催した。
|