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2008 年度 実績報告書

数量表現を伴う関係詞節の統語的・意味的機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20652034
研究種目

萌芽研究

研究機関広島女学院大学

研究代表者

田中 秀毅  広島女学院大学, 文学部, 准教授 (50341186)

キーワード英語 / 言語学 / 関係詞節 / 数量詞 / 日英比較
研究概要

本年度は関係詞節と主節の論理関係について考察した。
(1) a. *All the students, who had failed the test, wanted to try again.
b. All the students, who had returned from their vacation, wanted to take the test.
Quirk et al.(1985)によれば、(1a)は制限用法(カンマなし)なら容認されるが、非制限用法では容認されない。一方、(1b)は(1a)と同じ先行詞にもかかわらず、非制限節が容認される。この文法対立について、田中(2000)は関係詞節と主節の原因・理由の関係が影響していると指摘している。具体的には、(1a)では非制限節が主節の原因・理由を表しているが、(1b)ではそれがない。
三木(2001)は(1a)の主節と関係詞節間に因果関係が読み込まれることを前提にしたうえで、主節の因果関係を表しうる関係詞節は当該事態に関わる個体を余すことなく切り取る機能を有する制限節であって、特定の個体について情報を付加する非制限節ではないと主張する。三木分析は関係詞節の制限機能と主節の原因・理由を表す機能を直結する。この真偽を確かめるべく、文法書および言語コーパスを調査した。その結果、非制限節が主節の原因・理由を表すケースは散見され(eg.(2a))、さらに制限節でも制限機能をもたない「非制限節的な」タイプが主節の理由を表すケース(eg.(2b))が見いだされた。
(2)a. Betty's children, who are still young, did not understand most of the jokes. (Declerck 1991: 533)
b. She had two sons, who could rely on for help, and hence was not unduly worried. (Huddleston and Pullum 2002: 1065)
以上から、関係詞節の制限機能と主節の原因・理由解釈は表裏一体ではないという結論に達した。(1a)は先行詞から数量詞allを省くと容認されるのだから、原因・理由を表す非制限節が先行詞の数量詞と相性が悪いということになるが、それについてはさらにデータを追加して議論しなければならない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 関係詞節と主節の論理関係について2009

    • 著者名/発表者名
      田中秀毅
    • 雑誌名

      英語英米文学研究 17

      ページ: 23-45

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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