研究課題/領域番号 |
20652037
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研究機関 | 熊本県立大学 |
研究代表者 |
馬場 良二 熊本県立大学, 文学部, 教授 (30218672)
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研究分担者 |
村尾 治彦 熊本県立大学, 文学部, 准教授 (50263992)
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キーワード | 言語聴覚療法 / 構文ネットワーク / 構文パターン / 格助詞 / 認知言語学 / プロトタイプ / 日本語教育 / 日本語力判断テスト |
研究概要 |
本年度は3年計画の2年目であり、基礎的データの収集の継続とそれを元にして、認知言語学の観点からの分析を行った。データ収集には研究協力者の大塚裕一、宮本恵美氏の協力を得、村尾准教授の専門知識からデータの分析を行い、学会での中間報告や論文(原稿)として現時点での成果をまとめた。具体的には失語症者の誤りによく見られる助詞の使い方や動詞と名詞から成る2語文に焦点をあて、失語症者のカテゴリーネットワーク構造をモデル化した。 認知言語学のネットワークモデルに関するより先端の知識を得るため、金沢大学の中村芳久教授を招いて講義をしてもらい、意見交換も行った。 また、日本語教育や言語学の知見を生かした失語症者の言語訓練の開発のための研究調査の一環として、熊本県立大学特別講座「失語症会話パートナー講座」を2回開催した。講座では、失語症、失語症者の言語訓練に関して専門的な知識や技能を持っている実際の医療現場で働く言語聴覚士に協力を依頼した。 文脈、場面を重視せず検査、訓練をする言語治療に場面を重視する日本語教育的な手法から、失語症者に対し検査、訓練をし、成果を分析するという本研究のモデルを構築した。このモデルを試験的に援用し、本学文学部日本語日本文学科4年田中唯が卒業論文「日本語教育的手法による失語症患者への訓練法-言語要素「で」を中心に-」としてまとめた。その際、教員として馬場が、言語聴覚士として大塚と宮本が指導した。
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