平成20年度は2年にわたる研究計画の初年度にあたり、以下の3項目の作業を終了した。 1.心理学実験ソフトウエアPsyScopecを使用した実験プログラムの作成 日母語話者の様々なアクセント英語に対する理解度に関して、速さと正確さの両方を計測する実験が本研究の柱となる。下記項目2に述べられている音声刺激をデジタル化し、PsyScope上に張り付けて実験プログラムを完成させ、現在本実験を待つ状態にある。 2.非母語話者によるアクセント英語の採集 上記1のプログラム作成と並行して、本実験に使用する刺激の候補として、12名の非英語母語話者より音声を採集した。内訳は母語別に、日本語1名、ドイツ語2名、ロシア語1名、スペイン語1名、ポルトガル語1名、中国語2名、韓国語1名、アラビア語1名、ベンガル語2名である。アクセント強度を調べるための刺激群と、本実験で使用する刺激群に分けてそれぞれの話者より音声を採集した。 3.アクセント強度の調査 本実験で使用する音声刺激を抽出する目的で、上記2で採集した12種類のデジタル音声を、言語学の修士号を有する2名の英語母語話者に1(アクセントが弱い)〜9(アクセントが強い)段階で判断してもらった。 研究の第2年次においては、被験者の英語習熟度を測る文法能力判断テストの作成を行うとともに、英語母語話者の英語に対するリスニング能力を測る音声刺激の準備と、上記3で得られたアクセント強度をもとにした、4ないしは5種類の非母語話者のアクセント英語を抽出を行い、本実験を実施する。
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