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2008 年度 実績報告書

カンボジア土地法と民法典整備に伴う財産権概念の変化に関する調査

研究課題

研究課題/領域番号 20653002
研究種目

萌芽研究

研究機関名古屋大学

研究代表者

KUONG TEILEE  名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (80377788)

キーワードカンボジア / 土地法 / 財産権
研究概要

1980年代における土地使用の仕組み、および農地の分配に関する聞取り調査を実施した。これにより、収集・保管が不十分であった法令関係資料の一部を手に入れることができた。これらの資料を再整理し、80年代憲法体制における位置づけを明らかにすることで、70年代後半のジェノサイド政権後のカンボジアが、いかにして社会主義理念を取り込み、土地の使用を可能にしようとしたか、そして、その成否がいかなるものであったかを客観的に考察しうると考えられる。また、80年代の状況を把握することは、90年代以降現在まで続く市場経済導入との関係を考察する上でも不可欠である。上述の成功と失敗の経験が、90年代以降の改革においてどのような役割を果たしているのか、また今日の土地および不動産財産に関する法制度を整備する上で、これらの経験がどのように影響を与えたのかを理解する上でも、重要な意味を持つ。例えば、従来カンボジアでは私的土地所有が認められなかった。しかし、90年代後半における急速な市場経済化に伴い、私的土地所有が認められるようになった。現在は、私産として土地売買が行われ、市場振興のために工場や分譲アパート等の建設が進んでいる。そして、それらの売買を円滑なものにするためには、土地と建物との法的関係が定められている必要がある。しかし、土地・不動産に関わる法制度を急遽に変革することは、多くの紛争と社会不安を招き、市場振興に対する悪影響を導きかねないことも明らかになっている。制度移行のためには、まず30年間も存続してきた市場経済化前の状況を再整理し、改革し得る部分と改革する必要のない部分の検討および改革する順序についての考察が必要不可欠である。本研究は、従来の土地管理と分配制度のあり方、その段階的な進化、及びそれらが包摂する様々な問題を検討することにより、新しい市場制度との接点や矛盾点を明らかにしようとする試みである。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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