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2010 年度 実績報告書

「市場社会」の神学的起源:ニュートン・クラーク論争から18世紀イングランド神学へ

研究課題

研究課題/領域番号 20653011
研究機関横浜国立大学

研究代表者

有江 大介  横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 教授 (40175980)

キーワードニュートン主義 / クラーク / ライプニッツ / スコットランド啓蒙 / ヒューム / スミス / 自然科学 / 経済
研究概要

本研究は、17-18世紀の世紀転換期におけるニュートン(1642-1727)ないしニュートン主義の神学思想と、急速に発展する商業社会の構造把握や商業に適合的な人間類型把握の試みとの内的関連を探求することを目的とした。具体的には、第一に、ニュートンの体系的世界観でもある『プリンキピア』にある彼の宗教的見解と、サミュエル・クラークを介したライプニッツとの神の存在と宇宙をめぐる論争に示された彼の世界像、社会像の特徴を社会科学的視点から抽出し、第二に、それが18世紀前半からの社会変化によく対応したジョゼフ・バトラー主教の教説や、ケイムズ卿、ヒューム、スミスら18世紀スコットランド啓蒙の思想家達の社会理論にどのように影響したかを明らかにしようとした。
最終年度は、第一に、研究成果の一部として平成21年度に刊行された「クラーク=ライプニッツ論争の社会科学的含意-神論から自然・人間論へ-」(『エコノミア』6巻1号、2009年5月)で概括的に示したニュートン主義の方法のスコットランド啓蒙への影響、特に、ケイムズ卿、マクローリン、ブレア、ヒューム、スミス、ターンブル、リードなどへの影響関係について詳細な検討を行った。第二に、それらを踏まえて主として神学的側面から、「ケイムズ『自然神学の原理についての論集』における社会科学の方法」、「D.ヒュームにおける"実験的方法"とニュートン主義」、「A.スミスの自然神学と社会科学」、「バトラー蓋然性論の社会科学的含意」等の論文(いずれも仮題)として順次刊行する準備をおこなった。第三に、ニュートン主義の社会科学的側面から、スコットランド啓蒙における商業社会分析と経済理論への展開の試論を、ヒュームやスミスに即して研究論文や学会報告、書評として発表した。これらの成果は、次に企画している神学と19世紀ダーウィニズム研究を加えて『自然神学と社会科学』(仮題)としての研究図書の中心となる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 書評:塩野谷祐一『経済哲学原理』(東京大学出版会、2009年10月)2011

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 雑誌名

      経済学史研究

      巻: 52券2号 ページ: 149-150

  • [雑誌論文] 'sympathy'は「公共性」を導けるか-効用・共感・公共性-2010

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 雑誌名

      哲学雑誌

      巻: 125券797号 ページ: 1-16

  • [学会発表] Maria Paganelli, The Scottish Enlightenment and the Public Governanceof the Economic Systemをめぐって2011

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 学会等名
      慶慮義塾経済学会科学研究費短期招聰者国際セミナー
    • 発表場所
      慶慮義塾大学
    • 年月日
      2011-01-15
  • [学会発表] 共通論題「経済学史の形成」(組織者:小林純・栗田啓子)への批判的論評:"人文的"経済学史研究はどこまで有効か?2010

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 学会等名
      日本経済学史学会第74回全国大会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2010-05-23
  • [学会発表] 経済哲学原理をめぐって(東京大学出版会、2009年10月) 塩野谷祐一2010

    • 著者名/発表者名
      有江大介
    • 学会等名
      日本経済学史学会関東部会
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2010-04-24

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公開日: 2012-07-19  

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