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2010 年度 実績報告書

解雇コストを含む摩擦的費用の変化が労働市場にもたらす影響の実験経済学による分析

研究課題

研究課題/領域番号 20653016
研究機関敬愛大学

研究代表者

和田 良子  敬愛大学, 経済学部, 教授 (10316797)

キーワード労働市場 / On the Job-Search / マッチング / 実験経済学
研究概要

平成22年度には,平成21年に引き続き,解雇コストを考慮したモデルに基づいて,実験を行った.その際,日本の雇用市場の現状を踏まえて,実験を設計した.ひとつは賃金の格差であり,もうひとつは企業の選好の多様性である.実験では,二つの内生変数を同次決定させることが非常に難しいため,格差のある賃金を外生で与えたときに,労働者の役をする被験者がどのように行動するのか,そのことが市場の需要・供給をどのように決めるかということをみた.また,解雇や失業,転職を組み込むため2期モデルとし,転職・解雇のインセンティブを持たせるような設定を作るため,最も賃金の高い企業が,労働者の能力に対して無差別であるとして,安定的でない市場を作り出した.この点は,現実の労働市場において,人気の高い企業への申込みが先着順により数分で終了するなど,必ずしも能力を反映していないことを反映している.
実験の結果,賃金に格差があるときには,解雇コストや転職コストがあると,労働者は賃金の低い企業への就職活動をしないで,抽選で賃金の高い企業に選ばれえる可能性を取る頻度が高まり,賃金の高い企業への需要が理論的な均衡で予想されるよりも,ひっ迫することがわかった.
現状では,モデルを精緻化していくことを目的として,学会報告を続けているところである.ただし,サンプル数が足りないため,今後は実験をより少人数で行えるようにするなど,改善を続けていく.最終的には,賃金を内生化し,On-the-jobサーチモデルの検証をすることを目的としている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 平成22年5月「離職・解雇コストを考慮した労働市場マッチング実験」2010

    • 著者名/発表者名
      和田良子
    • 雑誌名

      敬愛大学研究所紀要

      巻: 第15号 ページ: 175-197

  • [学会発表] Transaction Cost Does it Seriously Matter or Not in the Labor Market?2011

    • 著者名/発表者名
      和田良子
    • 学会等名
      ESA2011 Asia-Pacific ESA Conference, Kuala Lumpur, Malaysia
    • 発表場所
      ノッティングガム大学ワブラルンプール大学
    • 年月日
      2011-02-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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