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2009 年度 実績報告書

農業法人の経営成長過程における「息切れ現象」の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20653019
研究機関岩手大学

研究代表者

木村 伸男  岩手大学, 農学部, 特任教授 (30260409)

研究分担者 木下 幸雄  岩手大学, 農学部, 准教授 (90323477)
金岡 正樹  農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 上席研究員 (50355260)
李 哉ヒョン  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60292786)
内山 智裕  三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 准教授 (80378322)
キーワード経営学 / 農業経営 / 農業法人 / 経営管理 / 農業政策
研究概要

農業法人経営に関わる大量のアンケート調査を実施し,「息切れ現象」と関係の深い,(1)マーケティング,(2)雇用管理,(3)財務管理,(4)経営継承,(5)イノベーションのための投資を十分に意識し,マーケティングと雇用管理の現状,財務管理に対する意識,法人経営者の代替わり,投資に対する考え方について,調査した.3,235法人(全国ベース・郵送式)に配布し,608法人から回答を得た.アンケートデータの分析結果は以下の通りである.
法人が設立された後は比較的順調に収入増加など経営成長が見られるものの,問題は法人設立後10年あたりを経過した頃に必ずしも連続的な経営成長が続くとは限らず,長期的な成長過程においては時には経営の停滞・低迷,いわば「息切れ」局面があり得ることである.したがって,こうした問題をどのように克服していくかが真の意味での経営成長を達成するのに重要であり,農業経営の成長マネジメントの新たな問題として提起しておきたい.
また同調査をもとに,経営ごとの売上動向を踏まえた分析によって明らかにされたことは,まず社会に目を向けた姿勢で経営の目的やビジョンを持つことが,経営成長にとって基本的に重要である点である.ただし,国民や消費者のニーズに対応した経営戦略だけでは必ずしも経営成長を達成しているとは言えなかった.むしろ,市場開拓や製品差別化といった市場対応は売上の減少・停滞に直面する経営の克服課題と解釈できよう.一方,成長を見せている経営では,人材育成を重要視した経営を行っている特徴があり,これがこれからの農業経営の成長マネジメントとして注目されてもよいと考えられる.
こうしたアンケート調査と合わせて現地調査も実施し,アンケートでは見えてこなかった農業法人経営者の意欲や能力にも着目した分析を行ったところ,経営者自身の人的側面と「息切れ現象」の発現プロセスについて整合的な結果が得ることができた.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 企業的家族経営における戦略的提携による経営発展の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      谷口昌史・内山智裕
    • 雑誌名

      『農業経済研究』別冊(2009年度日本農業経済学会論文集)

      ページ: 144-149

    • 査読あり
  • [学会発表] 農業法人の経営成長の影響要因2010

    • 著者名/発表者名
      木下幸雄・木村伸男, ほか3名
    • 学会等名
      2010年度日本農業経済学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-03-28
  • [学会発表] 有機芋焼酎の製造販売と原料生産における現状と課題2009

    • 著者名/発表者名
      金岡正樹・西和盛
    • 学会等名
      第72回(平成21年度)九州農業研究発表会
    • 発表場所
      佐賀大学
    • 年月日
      2009-08-20
  • [学会発表] 芋焼酎メーカーの上級酒における有機甘しょ調達2009

    • 著者名/発表者名
      金岡正樹・西和盛
    • 学会等名
      フードシステム学会大会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2009-06-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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