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2008 年度 実績報告書

現場知の組織化による地域環境の再生モデル構築に向けた環境社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20653030
研究種目

萌芽研究

研究機関兵庫県立大学

研究代表者

菊地 直樹  兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (60326296)

キーワード社会学 / 現場知 / 自然再生 / 地域再生
研究概要

本研究は、絶滅危惧種の野生復帰や自然再生が事業化するなかで、地域環境の再生に向けて、当該地域で培われてきた現場知を環境社会学的な調査による記述と分析により組織化し、それを基軸としながら地域環境の再生モデル構築及び政策提言していくことを目的とする。特に、誰がどのような価値観で再生モデルを構築し、合意形成していくのかを問題にする。
(1)現場知、(2)地域環境の再生モデルに関する調査研究を、申請者がかかわっている豊岡市のコウノトリ、佐渡市のトキ、北海道釧路市・鶴居村のタンチョウを事例に実施した。
トキの野生復帰が進展する佐渡では、環境省、佐渡市、漁協、農家、NPO活動家などを対象にフィールドワークを実施した。野生復帰に関連する現場知を聞き取るなかで、「野生」に関する考え、人の関与、生態学者など専門家の関わり方、ステークホルダーの構成などについてコウノトリとの違いが認められた。コウノトリがコミュニティーベースの社会的仕組みであるのに対し、トキはNPOや専門家などが主体となったアソシエーション型の社会的仕組みであるのが特徴としてあげられる。比較研究を進めることにより、日本における野生復帰の2つのモデルを構築しうると考えた。
釧路・鶴居では、行政、事業者、NPO関係者、研究者を対象にフィールドワークを実施した。タンチョウ保護と酪農と観光をつなぐ地域づくりの活動がみられ、地域環境の再生に向けた活動が展開していることが確認できたが、現場知や組織主体を統合する社会的仕組みが十分に形成されていなかった。相互交流を図るため、タンチョウ保護関係者を招いたワークショップを開催した。
自然の象徴という価値が付与された生物でも、生息域や行動の違い、かかわりの歴史性、地域性などによって、地域環境の再生のあり方が異なる。複数の再生モデルの構築という課題が見いだされた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] コウノトリの野生復帰プロジェクトと地域づくり2009

    • 著者名/発表者名
      菊地直樹, 池田啓
    • 雑誌名

      ランドスケープ研究 72(4)

      ページ: 368-372

  • [雑誌論文] コウノトリの野生復帰における「野生」2008

    • 著者名/発表者名
      菊地直樹
    • 雑誌名

      環境社会学研究 14

      ページ: 86-99

    • 査読あり
  • [図書] 野生と環境(「絶滅危惧動物の野生復帰と地域再生」担当)2008

    • 著者名/発表者名
      池谷和信, 林良博(編)共著
    • 総ページ数
      318
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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