研究課題
萌芽研究
「生徒のライフ・スキル」(自己学習スキル、対人コミュニケーションスキル、集団適応スキル、意志決定スキル、健康維持スキル)に関する質問紙について、茨城県立結城第二高校の「心理学」担当教員とともに、項目の修正を行い、学力が低い生徒でも応えやすいようにした。最終的に、「勉強について」10項目、「進路について」14項目、「集団活動について」6項目、「人とのコミュニケーションについて」13項目、「健康について」6項目、合計49項目の質問紙(4件法)ができた。結城二高の生徒(1年生・2年生)計111名を対象に調査を行った。その結果、平均点は学習面が2.4、進路面2.6、集団活動3.0、コミュニケーション2.7、健康2.5であり、学習面、健康面、進路面、コミュニケーションの側面で、スキルを高めるニーズがあると言える。項目別に見ると、「自分で探して勉強することができる」が1.9であり、特にニーズが高い。高校のカウンセリング・コーディネーターの教員が「心理学」の授業を、年間30コマ行った。研究代表者(石隈)が、授業のスーパービジョンを行った。研究代表者等の授業観察では、教員の「心理学」授業における工夫、および生徒のスキルの向上が確認された。また日本LD学会等で、研究成果の発表や高校生の特別支援教育に関する情報交換を行った。とくに、高校における「ライフ・スキルを高める心理学」の授業は、発達障害などで苦戦する生徒の成長に有用であることが考察される。