研究概要 |
今年度行ったことは、大きく二つに分かれる。一つは家庭型保育室と家庭での子どもの追跡観察であり、もう一つは保育園から家庭への子どもの降園観察である。降園観察は、首都圏と沖縄離島の両地域において行った。 家庭型保育室については、家庭型保育室および家庭の両方の環境における子どもの行動を並行して観察し、比較検討するため、今年度は撮影対象として6ヶ所の家庭保育室、および各所の乳幼児のなかから1歳児の6家庭に協力を得て、ビデオ撮影を実施、行動を追跡撮影した。撮影時期は8月末から9月に1回目の撮影、2回目は12月、3回目は2月、4回目は3月である。ただし、家庭の事情等により、撮影回数は2回が1名、3回が2名、4回が3名である。1回の撮影時間は保育開始から昼食、午睡まで程度の4時間から5時間である。詳細な分析は今後だが、「泣く」「食べる」「遊ぶ」などの場面を取り上げると、保育室と家庭とでは、大人と子どものかかわり方や応答が相当異なっており、保育者個人の特性や保育方針等の差も非常に大きいことが読み取れた。 降園観察では、首都圏の園児5名・西表島の園児3名を対象に,保育園の降園時前からで帰宅後まで,ビデオカメラを用いて約3時間わたる子どもの行動観察のデータを収集した.また,保育園の食事場面における子どもと保育者の相互作用の分析を通して保育のあり方に関する日英比較を行い,その結果を学会において発表した。 さらに、英国で育児支援の実践家に対して日英の母子関係、保育士・園児関係の観察資料を報告し、研究者とchildmindingやinfant massageの観察の可能性を現地で検討し試行した。
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