研究概要 |
平成20年度にビデオ撮影した6件の撮影データの内容を確認しながら、家庭的保育室と家庭における幼児の行動を比較、分析した。撮影データから、家庭的保育室における保育者と対象児の二者関係、保育者と対象児とその保育仲間との三者関係、家庭では親と子どもの関係、きょうだいを交えた場合など、具体的な関係性を持ちながら、食事場面、室内遊びの場面、戸外遊びの場面、着替え場面などにおいて対象児が示した言動を観察、分析した。その結果、家庭的保育においては保育者によって保育行動が多様であり、子どもに共感的で、援助的に関わる例と保育者のコントロールが強い例が見られた。家庭的保育では保育所と異なり、保育者個人の影響が大きい。家庭と保育室を往復する毎日があることで、子どもは片方の環境場面におけるストレスを他方の場面で発散できる可能性がある。 まだ1歳から2歳の対象児たちだが、予想以上に保育室と家庭の大人や友人に合わせて適応的に行動したり、抵抗したり、反発したりしながら自分を発揮していることが明らかになった。 また、childmindingの調査実施のために英国とアイルランドを訪問し、研究打ち合わせと研究交渉を行うとともに,研究成果に関連した情報交換も行った。その結果,2011年度にはEdinburghを中心に研究が実施できるめどが立った。 さらに,保育園での泥んこ遊びを含めた遊びの観察に関する映像資料と保育園から自宅までの降園観察映像資料を基に,園児の行動の年齢差や活動量の変化に関する分析を行った。
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